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チェコ産の新型人工衛星放出装置が宇宙に打ち上げられました

ディスペンサーSSMSが人工衛星の常識を変えます。

チェコ産の新型人工衛星放出装置が宇宙に打ち上げられました 出所: ESA

2020年9月3日木曜日3:51(チェコ時間)南アメリカのクールーにあるフランス領ギアナ基地宇宙センターにて、チェコ産のディスペンサーSSMSによって飛行しながら順々に宇宙に放出される53の人工衛星を搭載したロケットが打ち上げられました。

これは2008年、チェコ共和国が欧州宇宙機関(ESA)に加盟して以来打ち上げられたもののうち、最多のハードウェアを意味します。
カレル・ハヴリーチェック国土交通大臣は「新しいディスペンサーはチェコの宇宙開発事業の更なる発展と可能性を暗示する重大な成果です。このディスペンサーはこれから何年にも渡りチェコ共和国にて生産され、世界中で活用されることとなります。」と述べています。

このディスペンサーは個々の要求に柔軟に対応し、小型衛星打ち上げを手ごろな価格で提供できるため、SSMS(Small Spacecraft Mission Service)と名付けられました。同時に、この名称は欧州産ロケットを手配しているアリアンスペース社が提供するサービスの名称でもあります。このサービスは、いつ使われるか分からない上に経済的に負担の大きい小型衛星に従事している、いつまでも機会の訪れを待っていられないオペレーターや製造業者のために、ローンチ・ヴィーグル(打ち上げロケット)の生産から打ち上げまでの期間を短縮することを目的としています。

小型衛星打ち上げの需要は急速に増加しており、ESAはヨーロッパ内にこの需要を満たすサービスを立ち上げることを決定しました。そのためには、ローンチ・ヴィーグルに関する常識を完全に覆す必要があります。それは「ロケットは一度に一つか二つ打ち上げられるものであり、大変危険で経済的ではない」というものから「(一年に一回などの)定期的な打ち上げが約束されており、どんなに小さい衛星にも、どんなに小さな製造者にも対応できる準備がされているため、衛星を持ち込む誰もがサービスを受けられる」といった発想の転換を意味しています。

ESAがローンチ・ヴィーグルのためのプログラム委員会(PB-LAU)で公表した時点では、ヨーロッパではこのような小規模で比較的安価な打ち上げは実現しておらず、チェコ共和国はそこに市場拡大の可能性を見出し、その不足を解決するのは容易ではないにもかかわらず、この分野の開拓に乗り出しました。そして、このような新しいマーケティング・アプローチの提供は、ローンチ・ヴィーグル「ヴェガ」の生産供給を手掛けるフランスのアリアンスペース社とイタリアのAvio社との協同事業を実現しました。

できうる限りチェコの製造業者の手による生産を心掛けたS.A.B. Aerospace 社のおかげで、 このディスペンサーの開発は、チェコ内閣内で宇宙開発も担当している国土交通省から経済的支援が保証されました。国土交通省の高度交通システムと宇宙開発課のヴァーツラフ・コベラ課長は「私たちはこの新しく立ち上げられた市場を最大限拡大することを目標とし、この事業がチェコ共和国の発展に貢献することを証明する限り、支援を続ける意向であります。チェコの製造者によるSSMSのための納入品は毎年増加していくので、今後チェコ共和国は、ヴェガだけでなくすべてのローンチ・ヴィーグルのディスペンサーを生産する中心的存在になるかもしれません。」と述べています。

以前に使用されていたモデルは、軍事用であろうと一般通信用であろうと、大型人工衛星の生産提供業者の要望に合わせたものとなっていました。小型衛星の製造業者や事業者は重荷であり、利益が生じる可能性はほぼ皆無だと敬遠されてきました。ESA PB-LAUのオンドジェイ・ロフリーク代表は「私たちは次世代のトレンドを捉えることに成功し、ESAからの多大な支援のおかげで、他国の希望を差し置いて、チェコ共和国でのディスペンサーSSMSの生産を実現しました。ローンチ・ヴィーグルのためのプログラム委員会PB-LAUは当初、チェコ共和国にそのような生産力があるとは信じていませんでした。」と言及し、さらに「ディスペンサーは252kgで、自らの重さの約三倍である756kgを運びます。この金曜日に行われた53の衛星を積んだVV16の最初の打ち上げの後、それよりもさらに800kg重い容量のヴェガ-Cというローンチ・ヴィーグルの打ち上げが予定されています。その打ち上げにはSSMS-Cという、自身の重さの6倍を運ぶことのできるディスペンサーが用意されています。ディスペンサーの構造は柔軟に変更可能で、様々な小型、大型衛星を組み合わせて搭載することができます。このような能力を有するディスペンサーはヨーロッパでは他に見られません。だからこそ、チェコでの生産開始を実現するのは容易ではなく、他国の代表団は自国の製品の競争相手を認めようとはしませんでした。」と続けました。

国土交通省宇宙開発課のオンドジェイ・シュヴァーブ主任は「ほとんどの人工衛星はヨーロッパ内で設置し、ディスペンサーの設備とともにクールーの仏領ギアナ基地宇宙センターまで運ばれる、という新しいモデルができあがっています。これまでは、製造業者が設置のためだけに南アメリカまで出向しなければなりませんでした。これは多額の出費の節約を意味し、SSMSは多くの関連業者にとって魅力的であることに違いありません。」と、自他ともに認める利点を強調しました。ヴァーツラフ・コベラ宇宙開発課長は「2008年のチェコのESA加盟以来、チェコの宇宙開発研究所が最も準備に協力した宇宙探索衛星である太陽観測衛星ソーラー・オービターの二月の打ち上げ、八月に行われた人工衛星打ち上げ用ロケットであるアリアン6の打ち上げに続き、今日の打ち上げはチェコの宇宙開発産業の新たな成功を意味しています。」とも述べています。