税制
現行のチェコ税制は、1993年に導入されました。税金の種類は、「直接税」「間接税」「その他税金」の3つに分類されます。2004年5月1日のEU加盟以来、チェコはEU法に調和する形で税制改正を実施。チェコは多くのEU加盟国及びEU圏外国と二重課税防止条約を結んでおり、これらは全てOECDモデル租税条約に基づいて規定されています。
直接税
- 所得税法に基づく、個人所得税および法人税
- 不動産税法及び道路税法に基づく、固定資産税
- 不動産取得税法に基づく、譲渡税.
間接税
- VAT法に基づく、付加価値税(VAT)
- 物品税法に基づく、物品税
- 関税法に基づく、関税
- エネルギー源の特別税法に基づく、環境税
その他税金として、チェコの法律に基づく社会保障及び公的健康保険への強制加入、ならびに条例に基づく地方税も挙げられます。
出所: Investor´s Guidebook, Association for Foreign Investment 2017
種類と税率(2018)
種類 |
税率 |
法人税 |
2010年1月1日以降、標準税率は19%。
合同運用型ファンドと年金基金Cに対しては、特別税率5%が適用される。
非居住者所得への源泉税率は、所得形態により0% / 15% / 35%の3種類に分けられる。源泉税率は、二重課税防止条約により減率される場合がある。 |
個人所得税 |
個人所得税は、一律15%。
雇用者の課税標準は、税込給与額に雇用主負担の健康保険料及び社会保険料を加えて計算される。
平均所得(2016年の平均年収は1,296,288 CZK)の48倍を超える雇用者及び事業者に対しては、7%の連帯付加税が課される。 |
付加価値税(VAT) |
標準税率 21%: 大部分の商品およびサービス
軽減税率 15%: 基本食品、特定の医薬品、新聞、特定の医療機器、暖房、養護施設
軽減税率 10%: 乳児食、特定の医薬品、本、グルテンフリー食に適した乳製品及びその他製品 |
不動産税 |
不動産税は、土地と建物に課せられる。また、不動産税は法人税額から控除できる。
【土地】
農用地の課税率は、みなし価値の0.75%である。森林、湖、池に対しては、特別税率が適用される。それ以外の土地に関しては、区画によって税率が異なる。
建設用地は一平米あたり2CZK、商業用に舗装された道路は一平米あたり5CZK、その他は一平米あたり0.2CZKとなっている。
【建物】
建物は建築物敷地面積に応じて課税され、一平米あたり2 ~ 10 CZK。特定の条件下においては、追加課税が適用される。 |
エネルギー税 |
エネルギー税は、天然ガス、その他ガス、電気、固形燃料に対して課せられる。納税対象者は、チェコでサービスを提供するサプライヤー。
特定の活動(冶金、鉱物加工に使われるエネルギー等)に対しては、様々な免税が適用される。免税申請には、関税当局による承認取得が必要となる。 |
物品税 |
物品税は、特定製品の製造業者あるいは輸入業者に課される。炭化水素燃料、潤滑油、アルコール、蒸留酒、ビール、ワイン、タバコ等が対象。
税額は、製品の量によって決まる。特定製品に関しては、税の徴収が一度のみとなる場合がある。 |
道路税 |
道路税は一般的に、チェコで登録された車両に対し課される。
年納税額は、乗用車の場合1,200 CZK ~ 4,200 CZK、その他車両の場合1,800 CZK ~ 50,400 CZKである。 |
相続税および贈与税 |
2014年1月1日以降、相続税及び贈与税は廃止となった。親戚間で贈られる場合を除き、贈答品は所得税の対象となる。 |
出所: KPMG, 2017 |
社会保険
- チェコの社会保険システムは、医療手当、年金、雇用保険、疫病手当、養育手当などを提供している。
- 雇用主及び雇用者の双方が、社会保障システムの支払い義務を負う。
- 疫病手当については、最初の14日間が雇用主負担、15日目からは政府負担となる。
保険の種類 |
雇用主負担(%) |
雇用者負担(%) |
健康保険 |
9.0 |
4.5 |
年金保険 |
21.5 |
6.5 |
雇用保険 |
1.2 |
0 |
疫病保険 |
2.3 |
0 |
合計 |
34.0 |
11.0 |
出所: CzechInvest, 2017